理系の学部生だけど大学院に進学するか迷っている
大学院に進学するメリット・デメリットを知りたい
どんな学生が大学院に進学すべき?
こんな疑問を解決します。
こんにちは!よひとです。
理系の大学生にとって
- 大学院に進学するか
- 学部卒で就職するか
の選択で一度は迷うと思います。
私を含め、周囲の友達も深く悩んでいました。
しかし、社会人になった今、大学院に進学する意味や必要性の有無がわかりました。
そこで、本記事では大学院に進学するべきかどうかを解説します。
大学院に進学した友人6人の実例も交えて具体的に解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
- 大学院の概要
- 大学院に進学するメリット
- 大学院に進学するデメリット
- こんな学生は大学院に進学すべき
- 大学院に進学した友人6人の実例
大学院の概要
大学院へ進学する過程は下記の通りです。
- 大学4年時に大学院試験を受験
- 合格したら大学の卒業後に進学
- 学部の成績優秀者は試験免除
大学院の試験は大学4年の8〜9月であり、合否発表は当日または翌日が多いです。
学部の成績上位者は筆記試験が免除されることもあります。
大学院は主に理系学生が進学し、研究室で研究を行います。
ほとんどの学生が学部時代と同じ大学の大学院、同じ研究室に進学します。
- 学部時代と違う研究室
- 学部時代と違う大学の大学院
のように学部時代と違う研究室を希望して受験もできます。
学部時代に配属された研究室が
- 教授が厳しくてつらい
- 第1希望の研究室ではなかった
のような場合、大学院試験で違う研究室を希望する学生がいます。
- 学部時代よりレベルの高い大学に行きたい
- 今の大学にやりたい研究分野の研究室がない
と考える学部生は他大学の研究室を受験できますが、
- 他大学の学生の採用枠が少ない
- 配点に傾斜がかかり合格しづらい
といった不利な条件があることも。
それでも他大学の大学院に進学した友達もいるので不可能ではありません。
大学院に進学すると、学部のように授業がありますが、授業数は少ないです。
大学院を卒業することを修了と呼び、修士号の学位が付与され、院卒と呼ばれます。
大学院に進学するメリット
大学院に進学するメリットは以下の通りです。
- 就職活動で有利になる
- 初任給が高い
- 昇給幅が大きい
- 希望の部署に配属されやすい
- 出世が早い
- 信頼を得られる
- 2年多く大学生活を送れる
ひとつずつ詳しく説明します。
就職活動で有利になる
大学院に進学すると就職活動で有利になります。
就職活動における内定を得るまでの選考フローは
- エントリーシート
- 適性試験
- 1次面接
- 2次面接
- …
- 最終面接
のように進みますが、なかには大学院を修了していないとエントリーシートの時点で不合格になることもあります。
また、日本は学歴重視の傾向が強いことからも、大学院を修了していると就職活動で有利です。
- エントリーシート
- 採用面接の数十分
だけでは志望学生の能力や適性を完全に判断しづらいため、学歴はひとつの有効な判断材料になります。
このように、大学院進学は就職活動で有利です。
初任給が高い
大学院を卒業して就職すると初任給が高いです。
基本的には
院卒の初任給=学部卒3年目の給料
となり、院卒は学部卒より2年多く働いたとみなされた給料となります。
また、社会人1年目は何かと出費がかさみ、日々の生活で経済的に余裕がありません。
院卒の初任給は学部卒より高いので、院卒は社会人1年目の生活に余裕がもてます。
このように、院卒は学部卒より初任給が高い状態で社会人生活をスタートできます。
院卒は学部卒より初任給が2~3万円高いです。
昇給幅が大きい
院卒の社員は学部卒より昇給幅が大きいです。
理由は院卒は学部卒より初任給が高く、毎年の昇給幅も大きいからです。
その分、年収の最大値も院卒の方が高くなり、生涯年収も高いです。
学部卒は院卒より2年多く働いているから生涯年収は学部卒の方が高いのでは?
と感じる方もいると思います。
生涯年収で差が出るのは学部卒が院卒より早く働き始めた最初2年分です。
入社1、2年目の給料は高くないため、生涯年収で見ると大した差にはなりません。
このように、院卒は学部卒より昇給幅が大きく、生涯年収が高くなります。
希望の部署に配属されやすい
院卒は学部卒よりも希望した部署に配属されやすいです。
理由は日本企業は学歴を重要な選考指標として扱うからです。
実際に働き始めるまで、部署配属は大学時代の専攻が考慮されるものだと思っていました。
しかし、実際の部署配属で大学時代の専門性はあまり関係なく、この傾向は大企業で顕著です。
大手企業は新卒の採用人数が多く、各新入社員の適正配置に細かくこだわる余裕はありません。
また、学生時代の短い時間で会得したスキルより、社会人生活40年で習得したスキルの方が重要です。
単純に学部卒より研究に長く向き合い、思考力が養われたと考えられる院卒という学歴を優先して部署配属されます。
このように、院卒の新入社員は配属部署の希望が通りやすいです。
私は学部卒で入社し、大学時代の専門性が活かせる部署を希望しました。
しかし、同じ大学で院卒の同期と希望部署がかぶり、専門性がある学部卒の私より専門性がない院卒の同期がその部署に配属されました…
出世が早い
院卒は学部卒より出世が早いです。
理由は院卒の社員は大学院の2年分がすでに働いた期間とみなされるからです。
そのため、同期入社の院卒の社員は学部卒の社員より2年分出世が早いです。
学部卒入社3年目の社員=院卒入社1年目の社員
のように階級が同じ扱いなので、院卒は学部卒より勤務年数が2年少ないにもかかわらず、待遇は同じです。
それどころか、上記の場合は院卒の方が出世が早いです。
このように、院卒は学部卒より早く出世することができます。
信頼を得られる
大学院を卒業していると社会で大きな信頼が得られます。
日本の大学進学率は54%であり、大学院進学率はそれより低い6%です。
世間一般では大卒の肩書きだけで一目置かれますが、大手の理系企業で働くならば院卒がさらに有利です。
もちろん学歴だけでなく本人の能力も重要ですが、採用から入社当初は学歴が重視されがちであり、その後の会社員生活にも影響を及ぼします。
大学院を卒業していると
- 研究に本格的に取り組んだ証
- 学部卒よりも物事を深く考えられる
として評価のひとつになります。
このように、院卒は周囲から大きな信頼を得られます。
2年多く大学生活を送れる
大学院に進学すると学部卒より2年間多く大学生活を送れます。
就職して社会人になると地元をはなれたり、平日は仕事であったりと自由が減ります。
その点、学生は
- バイトができる
- 夜遅くまで遊べる
- 飲み会も多い
- 平日も遊べる
- 地元に残れる
のように学生時代の楽しみが続きます。
歳をとってからの2年間はあっという間ですが、若いうちの2年間は貴重な時間です。
大学院に進学すると研究は大変ですが、社会人より自由な時間が多く、拘束されないので楽しみが多いです。
このように、大学院に進学すると大学生活を2年間延長できます。
大学院に進学するデメリット
大学院に進学するデメリットは以下の通りです。
- 大学院の研究は学部時代より大変
- 学部卒の友達と疎遠になる
- 学費がかかる
ひとつずつ詳しく解説します。
大学院の研究は学部時代より大変
大学院に進学すると、学部時代よりも研究が大変です。
理由は大学院での研究は学部時代よりもレベルが高いからです。
学部の研究室配属は3~4年生であり、学部時代のたった1~2年の研究レベルはあまり高くありません。
しかも研究室に配属されたばかりの頃は
- 研究内容の基礎学習
- 研究機材の使い方
- 研究室の運営
について学び、研究生活に慣れるまで時間がかかります。
そうなると本格的に研究に着手できる期間は6か月~1年であり、短期間で本研究成果を出すのは困難です。
対して大学院での研究は
- 学部時代に研究の基礎力が養われている
- 大学院に進学したらすぐに研究に着手できる
- 学部時代より授業数が少ない
ということからまるまる2年間研究に着手でき、求められる研究レベルも高いです。
- 学会への発表
- 企業との共同研究
のようにより専門性の高い研究生活を送ります。
また、大学院生は研究室で先輩の立場になり、
- 後輩の研究のサポート
- 研究機材の手配
のように研究室の一員として研究以外にも貢献しなくてはなりません。
このように、大学院では学部時代よりも多忙な研究生活を送ることになります。
学部卒の友達と疎遠になる
大学院に進学すると、学部卒の友達と疎遠になります。
- 収入の差があり誘いづらい
- 社会人の話で盛り上がる
のような理由から学部就職した友達とは疎遠になりがちです。
学部で就職した友達は学生と違って稼ぎがあるので
- アルバイトの大学院生とは金銭感覚が違う
- 遊びに行っても毎回おごってもらってきまずい
- 社会人が楽しむお金がかかる遊びについていけない
というように社会人と学生の身分の違いをひしひしと感じます。
また、複数の社会人の友達と一緒に遊ぶと学部就職した同期たちは
- 日々の仕事内容
- 給料やボーナス
- 税金や貯金
のような新発見が多い新生活の話題で盛りあがり、学生はついていけません。
このように、大学院に進学すると、学部卒の友達との交流が薄れます。
学費がかかる
大学院に進学すると、学部4年間の学費に加えて大学院2年分の学費がかかります。
大学院2年間の学費は下記のとおりです。
- 国立大学で136万円
- 私立大学で150~200万円
奨学金を借りるのも手ですが、大学の4年間+大学院の2年間の合計6年間の奨学金はかなりの額になり、就職後の返済を考えると大変です。
学費を親が負担してくれて親の経済力が大きいならば特に問題ありません。
しかし、親の経済力が学部の学費を出すのがやっとの場合は、大学院の学費も頼むと経済的に厳しいかもしれません。
このように、大学院進学には2年分の追加の学費がかかります。
大学院に進学すべき学部生
大学院に進学すべき学部生は以下の通りです。
- 大学院進学するか迷っている学部生
- 大手企業へ就職したい学部生
- 研究が大好きな学部生
- 将来教授になりたい学部生
- 教授のコネで就職したい学部生
ひとつずつ詳しく解説します。
大学院進学するか迷っている学部生
大学院に進学するか迷っている学部生は大学院に進学するべきです。
理由は院卒の方が学部卒よりメリットが多いからです。
- もう研究はこりごり
- 早く働きたい
- 経済的に余裕がない
上記のような学部生以外で就職でも大学院進学でもいいと考えているならば、大学院に進学すべきです。
正直、どちらの選択も取れて迷っているなら大学院に行かない理由がありません。
このように、特に深い理由がなく迷っている学部生は大学院に進学すべきです。
大手企業へ就職したい学部生
大手企業に就職したい学部生は大学院に必ず進学するべきです。
理由は理系の大手企業の採用枠は、院卒が優先だからです。
学部卒で大手企業に就職したい場合は
- 学生時代によほどの実績を残す
- 人気のない部署を狙う
のような対策が必要です。
しかし、就職活動で真っ向から大手企業の内定を狙うならば、院卒という肩書はほぼマストといっていいでしょう。
このように、大手企業へ就職したいのであれば、大学院進学が採用への近道となります。
逆に、中小企業や無名の会社に就職する場合は、学部で就職するべきです。
研究が大好きな学部生
研究が大好きで熱中できる学部生は大学院に進学しても良いと思います。
理由は大学は研究機関であり、研究の場としてこの上なく恵まれた環境だからです。
研究室には
- 教授
- 准教授
- 先輩や後輩
- 研究スタッフ
のようなその研究分野に詳しい有識者の力を借りることもできます。
大学院生は学生という身分でもあるため、
- 親の支援
- 学割
- 年金免除
のような恩恵を受けられるのもメリットです。
生活面で苦労することなく、大好きな研究ができるので、研究が好きな学部生は大学院に進学すべきです。
逆に、大学の研究が苦でたまらない学部生は大学院に進学しない方がいいです。
将来教授になりたい学部生
将来教授になりたい学部生は大学院に進学するべきです。
理由は教授になるには大学院を修了した後、博士課程に進む必要があるからです。
将来教授になりたいと強く願うのならば、学部卒業後に大学院に進学しましょう。
もし修士課程で教授になる夢を諦めても、博士課程に進まず、就職すればいいだけです。
博士課程に進んでしまうと就職が難しくなりますが、修士課程ならばむしろ就職には有利です。
このように、将来教授になりたいと願う学部生は迷わず大学院に進学しましょう。
教授のコネで就職したい学部生
研究室の教授や大学のコネを利用して大手企業へ就職したい学部生は大学院に進学すべきです。
理由は教授は学部生ではなく大学院生を優先的に推薦するからです。
学部の研究室配属は3~4年生であり、学部の研究室に所属した1~2年だけでは研究室への貢献度は小さいです。
そのため、教授と十分に親密になりくく、学部生では教授の推薦を得るのは難しいです。
しかし、大学院に進学すれば研究室に配属されてから3~4年の期間があるため、教授に推薦してもらいやすくなります。
このように、教授や研究室のコネで就職したい学生は大学院に進学しましょう。
大学院に進学した友達の実例
実際に大学院に進学した学部生はどんな人?
と感じた方のために、大学院に進学した私の友人6人の実例をご紹介します。
- 大学院に進学したおかげで大手企業へ就職
- 教授になりたくて大学院へ進学
- 院卒のおかげで希望部署へ配属
- 教授の推薦で大手企業へ就職
- 大学院で研究に適性がないことがわかりコンサルへ
- 研究生活に耐え切れず大学院を中退
ひとりずつ詳しく解説します。
大学院に進学したおかげで大手企業へ就職
私の大学院へ進学した友人は、
院卒だから大手企業へ就職できた!
と語っていました。
本人は学部時代、就職でも大学院進学でもこだわりませんでしたが、最終的には大学院に進学しました。
友人は口下手で特技もありませんでしたが、国立の大学院を修了したことで、大手企業へ就職できました。
本人は
口下手で特技のない自分が大学院に進学せず学部卒で就職しようとしたら、こんな大手企業には入れなかった
と語っていました。
このように、採用面接で特にアピールできる経験がない学部生は大学院に進学した方が無難です。
教授になりたくて大学院へ進学
私の先輩は将来の夢である教授になるために大学院へ進学しました。
研究が大好きで大学院で研究に没頭し、大学院修了後は博士課程に進みました。
研究が趣味ともとれるほど研究に没頭しており、気が付いたら優秀な研究成果を残していました。
そのため、返済が必要ないタイプの奨学金を得られ、特に生活面の心配もなかったようです。
現在は博士課程を修了し、大学の研究室の研究員として働いています。
経験年数を重ね、研究室の教授のポストが空き次第、本人は教授になるでしょう。
ただし、大学院生、博士課程と学生の身分の期間が長かったため、なかなか彼女ができませんでした。
いい歳してまだ学生で、収入がない自分は女性に相手にされなかった…
と本人は語っていました。
本人が言うには「研究が彼女」だそうです。
院卒のおかげで希望部署へ配属
私の友人は院卒で入社したおかげで希望部署の配属を勝ち取ったそうです。
入社するまでは知らなかったそうですが、彼が希望した部署は大変人気で院卒しか採用しないそうです。
逆に、学部卒しか採用しない部署は存在せず、学部卒が多い部署は人気がない可能性が高いです。
その理由として、
- 大手企業に就職したいが学部卒だから人気部署への入社は厳しい
- 不人気な部署でもネームバリューのある大手企業に入りたい
と考える就活生が多いからです。
このように、大学院に進学すれば、就職するときに希望部署への配属確率が上がるのは間違いないです。
教授の推薦で大手企業へ就職
私の友人は大学院に進学し、教授の推薦で大手企業へ就職しました。
もともと本人は怠惰な性格で、就職活動に精力的に取り組む気がありませんでした。
しかし、
大手企業には就職したいけど、できる限り苦労せず大手企業へ就職する方法はないかなあ
と熟考しました。
その結果、一般の選考を回避して教授の推薦で就職しようと考えました。
本人が所属していた研究室は学部卒では教授の推薦が得られませんが、院卒なら推薦を得られたそうです。
その結果、本人は就職活動で一切苦労せず、教授の推薦で大手企業へ就職しました。
このように、就職活動で楽をしたいなら、大学院へ進学するのもひとつの有効な手段です。
大学院で研究に適性がないことがわかりコンサルへ
私の先輩は大学院へ進学しましたが、研究生活の中で
どうしても自分に理系の学問は合わない
と気づき、文系就職しました。
大学院に進学すると学部時代よりレベルの高い研究に取り組み、理系として就職するとさらにレベルが上がります。
理系の学部で大学に進学したけれど、どうしても理系は自分に合わないと感じる学生もなかにはいます。
そんな学生が無理に理系企業に就職すると一生苦しみ、最悪の場合逃げるように会社を辞めてしまうかもしれせん。
そうならないために、大学院で研究生活に身を投じ、自分と理系仕事の適正を判断するのも悪くないです。
現在本人はコンサルタントとして楽しく働いており、
あのまま理系企業に就職していたら病んでいた…
と語っていました。
研究生活に耐え切れず大学院を中退
私の先輩は大学院に進学しましたが、研究生活に耐え切れず大学院を中退しました。
原因は教授に厳しく研究成果を詰められ、病んでしまったからです。
大学で理系の学部に所属していると、研究で精神を病んでしまい、中退する学生の話を耳にします。
研究室に所属すると必ず1人は教授がいて、研究のサポートや指導をしてくれます。
しかし、教授は
- 教員免許を持っていない
- 教師ではなく研究者
- 本職は講義でなく自分の研究
であるため、学生に懇切丁寧に指導する義務がありません。
また、教授は社会人経験がなく、幼稚な性格の持ち主も珍しくないため、教授によっては学生に強く当たる性格の人もいます。
そんな教授の研究室に配属されると
- 研究のサポートを受けられない
- 研究結果に対して無理な要求をされる
のように理不尽な対応をされます。
そうなると最終的には心を病んでしまい、大学を中退する羽目になってしまいます。
上記のような確率は高くはないですが、存在するのも事実ですので、大学院進学にはある程度の覚悟が必要です。
まとめ
本記事では以下の内容を解説しました。
- 大学院の概要
- 大学院に進学するメリット
- 大学院に進学するデメリット
- 大学院に進学すべき学部生
- 大学院に進学した友人の実例
本記事が大学院に進学するか迷っている方のご参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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